note.8「たったひとつの」



たったひとつのことを、毎晩祈っている。
たったひとつなら、叶うのではと、祈ってみる。
でもたったひとつだから、叶わないことも、知っている。


欲しいと感じた時にはもう、手を伸ばしていた。
腕がちぎれても、かまわないと思う。


手を伸ばされる側の恐怖。
手を伸ばされる事の苦痛。


逃げて下さい、わたしから。
もしそれを、怖いと感じるのなら、どうか。

逃げて下さい。




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