note.12「ハルニシテ」



相変わらず、眠れない夜が続いています。
どうしたものかね。

最近は、朝が乱暴に明けていくようで、哀しい。
真冬のあの、ばかみたいに丁寧な夜明けが恋しいくなる。
春特有の、粗雑さは、きらいではないけれど、慣れるのには時間がかかる。なにせ突然やって来るから。


ハルニシテキミヲハナレ
ハルニシテキミヲオモウ


本と映画のタイトルのつぎはぎですが、この時期何となく口にしてしまう言葉です。
(なんて唐突な書き方だろう、いいのだ、唐突は春の特権)

春は、いいものも悪いものも、とにかく次々と運んできて、油断すると容赦なくひとを打ちのめす何かを持っているので、毎年この時期になると、そうした春の勢いに負けまいと、踏ん張ります。
サクラなんかが咲くと、もう、「あーーーーっ」という感じで流されそうになる(笑)。
好きなんですけどね、なんだかんだいっても。

何がうれしいって、夜それほど寒くないと、出掛けやすいのが、うれしい。
ふらふらと散歩が好きなカワハラには、それはとてもありがたい。今日みたいに、雨が降っていても、ありがたい。
相も変わらず明け方びいきは変わりませんが、明け方唐突に出掛ける散歩、というのと、前の晩帰らなかったので、必然的に始発で帰る帰り道の散歩、というのがあって、じつは後者の方が、すきだったりします。どうにもならなく思うのも、異様に心強くなるのも、そういうときだから。

最近こころを占めている「ある風景」への想いも、明け方の景色の中では、単純にかけがえのないものに思えて、うれしい。
冬の夜、部屋の中で抱えていた、途方もなさを、春に吹く風が、散ってしまったサクラと一緒に剥ぎ取ってくれる気がする。
実際には、何も変わりはしないのだけれど、世の中の大抵のことは、気の持ちようで乗り切ることができる、と信じているので、わたしにとって、そう思えることはとても意味がある。

まぁ、いいことばかりでは、全然ないですが、とにかく、春がやってくる。(春には「とにかく」という言葉が似合います)
良くも悪くも、容赦なく、やって来ます。
心して、迎えなければ。



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